「研修効果を提出して」突然言われてパニックに、そんな経験ありませんか?


研修担当あるある「急にそんなこと言われても!」

それはある日突然、予期せぬタイミングで訪れます。

「ケイコくん。明日の会議で使うから、研修効果をわかるようにまとめておいて」

「え~!?なにそれ、研修効果っておいしいお菓子ですか?」
思わず間抜けな顔をして聞いてしまいたくなるくらい、慌てます。

でも、この無謀な指示を投げてくる上司を恨んではいけません。
「面倒くさいから私に丸投げしたのね」と思いたくもなりますが、裏を返せば「しっかり者のケイコさんなら、それくらい準備してるよね」という信頼の表れでもあるのです。(出た!プラス思考)

困った時のアンケート!まずはこれで凌ぐ💦

「どうしよう、何もない」

そんな時は、ドラえもんのポケットをガサゴソ探すイメージで探してみてください。

「あった~!アンケート!」(ドラえもん風に)

これが精いっぱいの救済策です。

ですが、「アンケート」イコール「効果測定」にするのはNG行為です。それをやってしまうと、アンケートが研修を左右するようになるからです。これについては後で詳しく説明します。

でもですね、何の準備もしていない時に、自分の感想を並べるよりは、アンケートを使った方がまだマシです。

突然「研修効果をまとめて」と言われたら、アンケートに頼ることをお勧めします。




研修効果は絶対に客観的データが必要

「客観的データ…そんなものあるかい!」
と言いたくなりますが、グッと飲み込みましょう。

だって、研修って目に見えないじゃないですか
しかも「人」の問題です。
機械の性能や果物の糖度じゃないので、目で見て測れるものではありません。(心の叫びですが口には出しません)

それを数字や資料にして提出しろと言われても…正直、困りますよね。
「昨年の山本さんと今年の山本さんの違いを5つあげなさい」と言われても、頭が真っ白です。

※ここで言う研修とは、技術研修ではなく、ビジネスマナーや新入社員研修、管理職研修のことです。


研修効果は求められるもの、なのです

会社としては、研修にコストと時間をかける以上、結果を求めるのは当然です。
研修会社に頼めば費用がかかりますし、社内で行えば、その間社員の業務は止まります。
時間・お金・労力をかけるなら、「効果」を問われるのは必然なのです。

では、どう考えたらいいか。

そこが悩みどころですよね。

私たちのやっている方法を教えちゃいます。
今回ご紹介するのは、効果測定に困っている研修担当者向けです。
初心者コースみたいなものです。


効果測定に向かない研修もあるということを、ひたひたと伝える

ぶっちゃけ、効果測定なんて考えてはいけないような研修もあります。

それは、企業文化の形成や浸透を目的としている研修です。同じ釜の飯を食うなんて言いますよね。会社への愛着やチームワークみたいなものでもあります。

社員研修の根底に流れているようなものです。言語化すると、そうなります。非日常生活を共にすること、研修というスタイルそのものに企業文化形成のエキスが散りばめられていたりもします。

もうこれは、じわじわと浸透していくものなので、「効果は出てきたかな?」なんて焦ってもだめです。

今流行りのコスパ、タイパ、なんていうせこい考えでは、とうてい達することのできない領域なのです。

ですから、研修担当者は、常日頃から、研修の中には効果測定などと考えてはいけないものがあるということ、そしてそれはとっても大切なものなのだということを、経営者や幹部、部長さんたちに、説いていかねばならないのです。

ん?どうやって?

人事部であれば経営陣との距離は近いはずです。相談したり、発言したりの中に、散りばめていくことをお勧めします。コツコツと。

もし、それでも測れと言われたら、「離職率」となりますね。

効果測定できるものは、企画の段階で盛り込むと良い

それでは本題の、効果測定のやり方です。

効果測定って、いわゆるBefor Afterのことです。

ダイエットなら、あんなにプヨプヨだったお腹があら不思議、シックスパックに大変身!といったところでしょうか。

社員研修に置き換えるなら、あんなにやる気のなかった社員の皆さんが、目の色を変えて目標達成に向けて動いてる。となるのでしょう。

やはり見た目に訴えなければ、効果があったとは言えませんよね。

とすると、社員研修の場合の見た目って、何?

見た目というのは、具体的な行動になります。

ですから、企画の段階で「意識と行動」に分けて考えることをお勧めします。

たとえば、中堅社員研修の場合

【意識】モチベーションを高める

【行動】一日の計画を立て、優先順位を作り、実行する

行動目標があると、研修後の効果測定はぐっと簡単になります。
「できた・できない」が自分の目にも他人の目にも見えるからです。

さらにおまけ、ビジネスマナー研修の場合、

  • 挨拶が明るくできている
  • 電話に出るのが早い
  • 電話応対がスムーズにできている
  • 敬語ができている
  • 報告ができている
  • メールのレスポンスが早い
  • メールがビジネス文書として整っている
  • 遅刻をしない
  • 期限を守る
  • 身だしなみ(服装・髪型・清潔感)が基準を満たしている
  • 会議や打合せで発言がある


大切なことなので、何度も言いますが、研修企画の段階で「意識」と「行動」に分けて考えることです。

そして、効果測定は研修参加者の上司にお願いしましょう。事前に行動目標シートなどを配るのも良いです。また、この機会に、研修への要望や研修後のフォローのお願いなども話しておくと、研修効果が高まること、間違いなしです。

各部署との連携は、人事部としての大切なお仕事なのです。



「アンケート」イコール「効果測定」にしてはNGな理由

最後に、研修参加のアンケートをそのまま効果測定の材料にするのはNGな理由をお話しします。

ある会社で、研修参加のアンケートをそのまま効果測定としたら、楽な研修ばかりになったという話があります。

アンケートはあくまでも補助的に使うことをお勧めします。